南無

南無妙法蓮華経、あるいは南無阿弥陀仏の南無(ナム)は昔のインドの言葉の音を漢字にあてただけでありますから南無という漢字からはナムの意味を知ることはできません。ナムを漢訳しますと帰命になるそうです。ですから帰命という語が南無の意味です。帰命という語のなかには、敬う気持ち、頼む気持ち、必ず救われるに違いないと深く信じる気持ちが含まれます。帰命を「家」に例えるとわかりやすいのではないかと思います。家は大変にありがたい(敬う)。なぜなら風雨から身を守ってくれる強さを持ち(頼りになる)、そしてずっと前からここに有り続け、明日も明後日もあるいは50年後や100年後もずっとこの場所にあり続けるのではないかと思わせる(信じる)、そのようなものが家であります。ちょうどナムは帰命(命が帰る)と読めるわけですから、我々の肉体が帰る場所が家であり、魂が帰る場所が南無の下に続く教えであると考えれば、南無妙法蓮華経の妙法蓮華経という教えの意義もわかりやすく見えてくるのではないかと思います。

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